ヨーガについて

「ヨーガ」とは、今から約三千年前より、古代インドにおいて、「研究、開発」されてきた「呼吸法」による、「氣」の「制御法」であり、「氣」のコントロールを通して「精神、身体」を「制御」する「技術」です。
「ヨーガ」とはサンスクリット語で「くびき」を意味しています。「くびき」とは「馬、牛」等の家畜に着ける、牽引用の器具です。
「ヨーガ」とはそれらと同じように、自分の「精神」に「くびき」を掛けて、自分の思う「方向」に「精神」を「制御」する為の「方法」として名付けられたのです。
「ヨーガ」には様々な「精神制御法」としての高度な「瞑想法」が存在します。
現代では、その種類も一説では、インド一国だけでも一万以上存在すると言われており、最古の「アーユルヴェーダの瞑想法」は、今から6000年前、7000年前とも言われています。
紀元前25世紀インダス文明のモヘンジョダロ遺跡には「座法」を組み「瞑想」をする人物の「印章」や「置物」等が発見されています。
「アーユルヴェーダ」の中で発見された「瞑想」そして「チャクラ」「プラーナ(気)」等の人に宿るシステムは、「ヨーガ」として、専門的に研究が進み、自己の心身を制御する方法として洗練されていきます。
「ヨーガ」の行法は「瞑想法」そのものであり、数千年かけて様々な形に分化しますが、その一つ一つは全く異なるアプローチをとります。

伝統的な「ヨーガ」を大きく大別しますと以下の「六つ」に分けることが出来ますので、簡単に解説いたします。

☆ハタ・ヨーガ
アーサナ(姿勢、ポーズ)を使用し、呼吸法、印(ムトラ)を持つ。スポーツや様々な方面で取り入れられており、現代的でポピュラーな行法、でも本来はもっと強力な呼吸法を持ち(失神寸前まで止息)を伴ったりする。

☆ラージャ・ヨーガ
(王のヨーガ)とも言われ、神を感じる為のヨーガとも言われます。アーサナ、呼吸法、だけで無く「八支則」と言う行動規範、道徳を含むヨーガ哲学を持つ本格的なヨーガ行法、アシュターンガ・ヨーガとも呼ばれ、現代のパワー・ヨーガの元になったものです。

☆パクティ・ヨーガ
神への愛と、グル、他の人への愛を対象にする、最も信仰的なヨーガ、実在したと言われる「クリシュナ」が開祖とされ、悟りと解脱を目指す。
現代の新興宗教の下敷きとなったと言えるヨーガ行法。

☆ギャーナ・ヨーガ
洗練された理論的思考と分析を重ねる事により「思考循環」を起こさせ、真我への探求と絶対的「真理」を探求するヨーガ。「思考循環」はマスターヨーガでも重要な行であり「三宝」の一つ「識神」を育てる為には必要不可欠です。

☆マントラ・ヨーガ
(ガヤトリー、マハー、ハレー・クシュリナ)等のマントラを使用する「アクシュラ音」、音=振動により発動させる呪文ヨーガ。
師が弟子に渡す個別のパーソナル・マントラを鍵として持つ、言わば仏教の開祖「仏陀」はこの行法により「開眼」し、般若心経の最後の「ガーテー、ガーテー」に始まる一文は、サンスクリットによる呪文そのものである。現在においても様々な形で研究されており、数珠を使用するジャパ・ヨーガ等、多くの派生を生み、今尚増えている。

☆クンダリニー・ヨーガ
ムラ・ダーラ(1番)に眠る、不活性なクンダリニーを呼吸法により覚醒させ、身体の気脈とチャクラを活性化させ「氣」をコントロールする事により、深い瞑想を発生させ「悟り」を目指す。大きな「氣」を使用する為、熟達した、然るべき「師」に就いて実践しないと、いけないヨーガで、古式マスターヨーガはこれの源流に位置しています。
この行法はチベット密教の「トゥンモ」、中国の仙術「内丹法」など各国において独自の進化を果たし、日本においても密教と共に伝来し「陰陽道」「修験道」として一時代を作りました。

どうですか?これら大別した伝統的ヨーガは、それぞれが全く違うベクトルから「悟り」の境地に向かって進む「行法」という事が解ると思います。これらは5000年以上の時を掛けて、延べ数億の先達により研究された高度な修行体系と数多くの「瞑想行法」を持ち「行」を支える支柱になる「哲学」を持っています。
その「ヨーガ哲学」もやがて仏教等の信仰の下敷きになります。世界で数万存在する瞑想法の半分以上がインドの「アーユルヴェーダ」の瞑想法を起点とした「ヨーガ」の技法を元にしたものです。